50年ほど前、小学生の頃に叔父の家で目にした冊子が僕の折紙への入り口だったんだが、それが、吉澤章さんが創刊した「OT通信 7月 創刊号」だった。
今はもう、オリジナルの紙コピーをさらにスキャンした電子データしか残っていないが、気が向いたときに少しずつ折ってみようと思う。
というわけで、創刊号の表紙にもなっている最初の掲載作品であるセミを折ってみた。
OT通信 7月 創刊号 表紙,吉澤章 |
セミ,吉澤章 |
この作品は裏表同色なら直角二等辺三角形の紙で折れるんだけど、刊行当時はそんな紙は普及してなかったんだろうね。いきなり正方形の紙を対角線で折って、裏表同色の直角二等辺三角形にしている。紙の使用率50%以下という潔い作品。というか、吉澤さんにとってはそんなことはどうでも良くて、紙という素材を使って神羅万象を形作ることのみを考えてたんじゃなかろうか。
現代の折紙理論や、いわゆる不切正方形一枚折りへのこだわりを知ったうえで、50年前に刊行された吉澤さんの冊子を読み返してみると、そんな気がしてならない。
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