2019年6月9日日曜日

龍神3.5 必要なもの : Ryujin 3.5 Things necessary

必要というか、自分で使ったものを挙げていく。

■展開図
これがなければ始まらない。ネット上にはいろんな人が自分なりに作った展開図があるけど、ここは創作者の神谷哲史さんに敬意を表して『神谷流創作折り紙に挑戦!―創作アイデアの玉手箱』を購入しよう。

カバー裏に展開図があり、製作上のコツや角(つの)の部分展開図も掲載されている。折図はないけど、頭部の仕上げ図やカド配置など、にらみ折りに役立つ情報を惜しげもなく掲載してくれている。

それ以外にも紙の種類や、糊,定規などの道具類,紙の厚さを逃がす重ね折りのテクニックなどが丁寧に解説されていて、複雑系折り紙に挑戦したい人は買って損はしない。

僕がCADで製図した展開図もあるんだけど、ここでは掲載しないでおく。現状、神谷さんが公開しているのは上記書籍の中だけだからね。

■CADソフト
方眼紙に手書きで展開図を書き写してもいいし、そうしている人も多いけど、オリジナルの展開図を自分なりに解釈して折り線を加えたいときや、部分的に印刷したいときなど、あると絶対便利。なんといっても、部分折りの練習は必須なので、そのためにも是非手に入れよう。

フリーのCADソフトは色々あるけど、僕が使ってるのは「Jw_cad」。面倒なユーザ登録とか不要で汎用2次元CADに必要な機能は一通りそろっている。参考書籍も多数出版されていて、企業で使っているところも多いみたい。

■紙
部分折りで練習するときは、普通のA4コピー用紙に上記CADソフトで印刷すると便利。無理な折り方すると破けちゃうけどね。複雑な折りを練習するときはクラフト紙を使うといい。僕は本番で使った両更クラフトロール紙(50g/m2)をA4に切出して使ってたけど、部分折り練習の時は多少厚くてもいいので、A4サイズの70gくらいのやつを用意しておくといい。

本番用で使ったのは、上記の通り両更クラフトロール紙で、92㎝幅のロールから90㎝×180㎝を2枚切り出して、上半身と下半身に分けて繋いだ。こうすると、継ぎ目部分が最終的に胴体の内側に隠れるので都合がいい。ちなみに龍神3.5の最厚部がこの上半身と下半身を結ぶ96分割ジャバラの重ね折り部なんだけど、50g/m2のクラフト紙だと96枚分の厚みで1㎝くらいになる。

■プリンタ
CADで書いた展開図を印刷する。 印刷直後は印刷部分が湿っているので折り線をつけやすい。

■フリクションボール(多色)
とてもじゃないけど、折り筋だけで展開図を本番用の紙に写して折りあげるのは、よほど経験を積んでいないと無理なので、展開図を反転させて紙の裏側に書き込む。折図では谷折りと山折りを破線と一点鎖線で表現するが、手書きでこれをやると死ぬので線の色で区別する。ここで、赤色の入っている多色のフリクションボールが活躍する。書き間違えても簡単に消せるし、消しゴムみたいに紙を削らないので紙が傷みにくいというわけ。

■ピンセット,塑像用へら(丸棒)
ピンセットは細かい部分の折りに必須。先端が細くエッジが真っすぐなものが使いやすい。鱗を折るときは2本使うこともある。

沈め折りで折り線の山谷を反転させる時にも使うけど、ピンセットで力を入れすぎると紙が破れることがある。しっかり力を入れたい時は先端が丸い棒状の道具が良い。僕は塑像用に使う樹脂製の丸棒へらを使っている。

上:ピンセット(直),中:ピンセット(曲),下:塑像用へら(丸棒)

■糊,ボンド
一般に超複雑系のレベルになると、紙を折っただけでは狙いの形に仕上げることはできないので、要所で糊付けにより形を整えることが必要。乾くと無色になり、経年劣化や変色が無い「でんぷん糊」(フエキのりとか)が最も適しているが、速乾性が無いので、部位によって木工用ボンドなどと使い分けるとよい。

真ん中は左のフエキのりに付いていたへら

■つまようじ,へら
つまようじは細かい個所の糊付けに使う。面積の広い個所はへらを使えばムラなく塗りやすい。フエキのりについている小さいへらが大きさが丁度良くて重宝している。

■クリップ,紙ばさみ
ジャバラなど折りの途中の部分をたばねておいたり、糊付け個所を押さえたりする。紙を痛めるのが気になるなら木製のものもある。

■画用紙
肩の部分の背びれや尾びれは作業中にへたりやすいので、画用紙で挟んでクリップで固定しておくといい。

こんな感じ

■造花用ワイヤー
針金の周りに紙を巻いたもの。作品にポーズをつけるために、折りの途中で作品内に埋め込む。紙を巻いているので、糊,ボンドで作品に接着しやすい。太いワイヤー1本よりも、細めのワイヤー数本を平らに並べて使うとねじりのポーズもつけやすい。

これを4~5本並べて作品の要所に埋め込む

■カッター,直定規,分度器,カッティングボード
なんだかんだで紙はそのままでは使えない。直定規は1mのものもあるけど、一気に1mの線を引いたりカッターで切るのはそれなりに技量がいるので、使いこなすのは難しい。50㎝と30㎝くらいが最初は使いやすい。分度器は22.5度分割等に便利だが、あまり小さいのを使うと角度誤差が大きくなるので注意。


ここに書いたものは、だいたいネット通販で手に入るし、DIYショップ(コーナンとか)や大型文具店(東急ハンズとか)でも売っている。全部が必要ではないけど、あると作業性は格段に良くなるのでお勧めする。

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