2023年1月9日月曜日

吉澤章作品より (かめん):Pick up from YOSHIZAWA Akira works (Mask)

 2年半ぶりに連投。吉澤章さん「折り紙通信」より「かめん」。仮面と言いつつ、これは顔です。僕には吉澤さんご自身の顔に思えるんだけど。

現代折り紙において顔の折り出しに拘っている折紙作家として北條高史さんが真っ先に思い浮かぶけど鼻や口の造形に近いものを感じる。北條さんよりはだいぶシンプルなんだけどね。

シンプルな一方で目の大きさは特筆すべきで、これこそまさに折り紙の見立てって感じがする。

 

かめん

吉澤さん、50年以上前にすでに顔を折ってたんだよな。

吉澤章作品より (きのこ):Pick up from YOSHIZAWA Akira works (Mushroom)

2年半ぶりに吉澤章さん「折り紙通信」より「きのこ」&「しいたけ」。 大きい方の「きのこ」は裏表分2枚の張り合わせ。小さい方の「きのこ」はジャバラ折りの後、中ほどで結んで形を整えるという潔いほどの「超ぐらい折り系」作品。

奥:きのこ,手前:しいたけ

 
ここから形を整える

 

君はジャバラを「結んだ」ことある?

2020年7月18日土曜日

吉澤章作品より (千羽鶴折形紹介):Pick up from YOSHIZAWA Akira works (Introduce Folding of Thousand Cranes)

吉澤さん自身の作品ではないが、「OT通信 7月 創刊号」の最後を飾る第五弾として、「千羽鶴折形」から「呉竹」「龍膽車」を紹介する。

Wikipediaの「秘傳千羽鶴折形」(2020/7/18現在)では、
千羽鶴折形は近年までその存在が忘れ去られていたが、1957年9月に吉澤章が国際折紙研究会の機関紙「O・T通信」で発表し、更に同年の『週刊朝日』の書評欄で紹介されたことにより、一般の人にも広く知られることとなった。
と解説されており(*)、吉澤さんの功績の一つとすることに異論はないであろう。


呉竹(くれたけ)

膽車(りんどうぐるま)


呉竹の小さいほうの鶴が尾とくちばしで繋がっているように見えるのは写真の撮り方のせい。羽先同士などカドの先で繋がっているので折りの途中で千切れてしまわないように注意が必要。いかさまっぽいけど僕は細く切ったセロハンテープで裏側から補強した。仕上げ前に展開した状態からの工程も載せておく。

呉竹・展開状態

呉竹・途中,異形の生命体みたい

呉竹・仕上げ前,このままでもいい感じ


膽車の「龍膽」は旧字体で、現在は「竜胆」と表記されている。こちらは、羽のふち全体で繋がっているので、折りの途中で千切れてしまう心配は少ないが、その分個々の鶴同士の拘束が強いので折り進めるほど難しくなる。
下の展開状態で、個々の鶴のくちばしは中央のカドに集中している。こちらについては折り途中の写真は撮っていないが、まず首をすべて折り込んでから、全体の形を完成形の状態に変形しつつ尾を折り返すとうまくいくようだ。




(*)Wikipediaでは「O・T通信」と「・」区切りで表記されてるけど、僕が実際に見た原本では「OT通信」と表記されていた。それはそれとして、いまさらながらだけど同誌は国際折紙研究会の機関紙だったんだね。確かに、海外での展示会の報告とかよく掲載されてた。あの原本って今でも叔父の家にあるのかなぁ。

OT通信 7月 創刊号,吉澤章



2020年7月12日日曜日

吉澤章作品より (バッタ):Pick up from YOSHIZAWA Akira works (Grasshopper)

吉澤章さん創刊「OT通信 7月 創刊号」より第四弾。実質的なものを含めて三角形用紙で始まった創刊号で初の四辺形から折る作品だ。といっても今度は菱形なんだけど。


バッタ,創作:吉澤章

正方形の4辺を対角線に合わせて裏表同色の菱形を作る

菱形からの折り筋は6本というシンプルな作品


厳密には脚の付け根にフチ線が出るので、裏表同色の菱形からこの作品と全く同じものは折れない。もちろん同じバッタで複雑系の諸作品も素敵だし、いつか挑戦したいと思ってるんだけど、こういう見立てで納得させてしまう作品もいいね。



2020年7月5日日曜日

吉澤章作品より (雁):Pick up from YOSHIZAWA Akira works (Geese)

吉澤章さん創刊「OT通信 7月 創刊号」より第三弾。第一弾のセミは裏表同色にするため正方形を対角線で二つ折りにして直角二等辺三角形にしていたが、本作は正真正銘の直角二等辺三角形の紙から折る。

というわけで、雁のV字編隊(四羽だけど)飛行をどうぞ。

雁,創作:吉澤章

四羽編隊

近接撮影

飛び去る


もちろん浮いてるわけじゃなくて画像処理で吊り紐を消したんだけど、4羽折るより特撮の方がよっぽど時間かかってしまった。

裁縫用のかがり糸をつける

渡海先生呼んできてー

仰角と吊り高さを同時に調整する機構

円谷先生、僕頑張ったよ


創刊号の最初の三作品が奇しくも三角形(一作目は実質だが)を基本形にしているというのが面白いね。いや、四作目はもっとすごいんだけど、それはまた次回に。



2020年6月27日土曜日

吉澤章作品より (白鳥):Pick up from YOSHIZAWA Akira works (Swan)

吉澤章さん創刊「OT通信 7月 創刊号」より第二弾。第一弾のセミは実質直角二等辺三角形から成る作品だが、本作はいずれも正三角形の紙から折る。

というわけで、白鳥3体をどうぞ。

正三角形の用紙。何か判らんけど和紙

白鳥1,吉澤章

白鳥2,吉澤章

白鳥3,吉澤章

全員集合

うーん、1番目が首の曲がり具合とか一番いい感じ。
形がシンプルなだけに「ぐらい折り」の力量が如実に出ますな。


吉澤章作品より (セミ):Pick up from YOSHIZAWA Akira works (Cicada)

50年ほど前、小学生の頃に叔父の家で目にした冊子が僕の折紙への入り口だったんだが、それが、吉澤章さんが創刊した「OT通信 7月 創刊号」だった。
今はもう、オリジナルの紙コピーをさらにスキャンした電子データしか残っていないが、気が向いたときに少しずつ折ってみようと思う。

というわけで、創刊号の表紙にもなっている最初の掲載作品であるセミを折ってみた。

OT通信 7月 創刊号 表紙,吉澤章

セミ,吉澤章

この作品は裏表同色なら直角二等辺三角形の紙で折れるんだけど、刊行当時はそんな紙は普及してなかったんだろうね。いきなり正方形の紙を対角線で折って、裏表同色の直角二等辺三角形にしている。紙の使用率50%以下という潔い作品。というか、吉澤さんにとってはそんなことはどうでも良くて、紙という素材を使って神羅万象を形作ることのみを考えてたんじゃなかろうか。
現代の折紙理論や、いわゆる不切正方形一枚折りへのこだわりを知ったうえで、50年前に刊行された吉澤さんの冊子を読み返してみると、そんな気がしてならない。



吉澤章作品より (かめん):Pick up from YOSHIZAWA Akira works (Mask)

 2年半ぶりに 連投。吉澤章さん「折り紙通信」より「かめん」。仮面と言いつつ、これは顔です。僕には吉澤さんご自身の顔に思えるんだけど。 現代折り紙において顔の折り出しに拘っている折紙作家として北條高史さんが真っ先に思い浮かぶけど鼻や口の造形に近いものを感じる。北條さんよりはだいぶ...