吉澤さん自身の作品ではないが、「OT通信 7月 創刊号」の最後を飾る第五弾として、「千羽鶴折形」から「呉竹」「龍膽車」を紹介する。
Wikipediaの「秘傳千羽鶴折形」(2020/7/18現在)では、
千羽鶴折形は近年までその存在が忘れ去られていたが、1957年9月に吉澤章が国際折紙研究会の機関紙「O・T通信」で発表し、更に同年の『週刊朝日』の書評欄で紹介されたことにより、一般の人にも広く知られることとなった。
と解説されており(*)、吉澤さんの功績の一つとすることに異論はないであろう。
呉竹の小さいほうの鶴が尾とくちばしで繋がっているように見えるのは写真の撮り方のせい。羽先同士などカドの先で繋がっているので折りの途中で千切れてしまわないように注意が必要。いかさまっぽいけど僕は細く切ったセロハンテープで裏側から補強した。仕上げ前に展開した状態からの工程も載せておく。
龍膽車の「龍膽」は旧字体で、現在は「竜胆」と表記されている。こちらは、羽のふち全体で繋がっているので、折りの途中で千切れてしまう心配は少ないが、その分個々の鶴同士の拘束が強いので折り進めるほど難しくなる。
下の展開状態で、個々の鶴のくちばしは中央のカドに集中している。こちらについては折り途中の写真は撮っていないが、まず首をすべて折り込んでから、全体の形を完成形の状態に変形しつつ尾を折り返すとうまくいくようだ。
(*)Wikipediaでは「O・T通信」と「・」区切りで表記されてるけど、僕が実際に見た原本では「OT通信」と表記されていた。それはそれとして、いまさらながらだけど同誌は国際折紙研究会の機関紙だったんだね。確かに、海外での展示会の報告とかよく掲載されてた。あの原本って今でも叔父の家にあるのかなぁ。