2020年4月5日日曜日

龍神3.5 全体折り (7) : Ryujin 3.5 Entire fold (7)

神谷さん曰く「龍神を折る作業の半分を占める」という鱗の折り出しに入る。鱗の折り出しは、斜め格子から鱗1枚分の正方形要素に折り直し、さらに正方形要素の角部を沈め折りすることで鱗の細かい形を折り出す。
鱗部は細かな要素が少しずつ重なりながら配置されているため、折線通りに折っても胴体の前後方向に伸びが生じる。そのため、鱗の折り出しは最終的な形まで一気に折り出すのではなく、鱗部全体を正方形要素に折り直した時点で胴体前後方向の長さを確認した方が良い。この時、胴体長さが実際よりもやや短めになっているくらいが望ましい。鱗を完全に折り出してしまうと修正が難しいので注意しよう。
上記の作業は胴体の後方から前方に向かって進めること。部分折りの記事でも書いた通り、逆方向で折り進めると作業の自由度が低くなるよ。

鱗は胴体後方から前方に向かって折り出す。写真では比較のために最後部4列の鱗を沈め折りまで完了しているが、残りの鱗はまず写真上側の斜め格子から中央部の正方形要素に折り直す

下半身全体の鱗を折り出して沈め折りまで完了した状態。この時点で背びれも折り出し、糊付けしておく。鱗の折り出しの際に少し胴体が長くなってしまい、完全に修正できなかったため、背びれを糊付けして長さを調整した状態では鱗がやや波打っている。ちなみに、肩部の背びれは垂直に立ち上がっており、作業中に色んな所にぶつけてヘタリそうだったので、厚紙で作ったガードで保護している

背びれ,腹部の蛇腹4列分は上半身側と重なり合うため、この部分の鱗は完全に折り出す必要はない。ただし、斜め格子のままだと厚みが大きく、重ね合わせが部が不自然になりそうな気がしたので、正方形要素に折り直した上で、各要素の重なりを工夫して厚みを抑えた。また、重なり合う部分の背びれは内側に折り込んでいる


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